61体の国宝の石仏がある臼杵摩崖仏

61体の国宝の石仏がある臼杵摩崖仏

臼杵摩崖仏

大分県の臼杵市の郊外にある岩に60余の石仏(摩崖仏)が彫られている。どの仏像も素晴らしいことからほぼすべての仏像が国宝に指定されている。それぞれの仏像に特徴があり、個数も多いことから見ごたえがある。

臼杵石仏の概要

臼杵駅からバスで20分ほどの距離にある。臼杵ICからも近い。

ほぼすべての彫刻が国宝に指定されているが、その説明文は以下に通りである。

「 臼杵石仏は、豊後地方に集中して存在する平安時代の磨崖仏のなかで最大の規模を誇り、かつ出来ばえが最も優れた石仏群として広く知られている。これらは丘陵斜面の熔結凝灰岩の露出した部分を開鑿して造られたもので、大略四群(古園、山王山、ホキ第一群、同第二群)に分かれており、いずれも比較的浅めの龕を穿って高肉彫の手法で計五九躯の仏体を刻み出している。その造営に関する史料は知られていないが、作風からみて、平安後期にその規模の大半をそなえ、鎌倉時代に一部追加されたと思われる。」

「本石仏群は昭和三十七年に重要文化財に指定された当時、すでに経年による損傷が甚しく、頭部や仏体の一部を割落するものも少なくなかった。昭和五十五年度から平成五年度にかけて行われた美術工芸品としての保存修理によりそれらは小断片に至るまで母岩に接合復元することができ、四群それぞれ面目を一新した。その結果、龕の前面に仮に置かれていた頭部が復位された古園石仏の大日如来像をはじめ、これらの彫刻作品としての偉容の全貌がここに明らかになり、今回、国宝指定の運びとなったものである。」 (国宝の説明文より)

臼杵摩崖仏は大きく4つに分かれている。地名によって、ホキ石仏第1群、ホキ石仏第2群、山王山石仏、古園石仏と名づけている。

ホキ石仏第二群

入口から最初に立ち寄るのはホキ石仏第2群で、ここの石仏は大きく二つに分類できる。

「同第二群第一龕は丈六の定印阿弥陀坐像に両脇侍立像を配する三尊像である。これらは温雅な藤原様式を示し、当代木彫像の優品に較べて遜色のない作行を見せている。」(国宝の説明文より)

阿弥陀三尊像である。中央に阿弥陀如来が祀られている。左右に観音菩薩と勢至菩薩を従えている。この阿弥陀如来は臼杵石仏の中で最大の大きさである。

阿弥陀三尊像
阿弥陀三尊像

向かって右側の観音菩薩立像。

観音菩薩立像
観音菩薩立像

向かって左側の勢至菩薩立像。

勢至菩薩立像
勢至菩薩立像

「九品の弥陀」と呼ばれ、比較的小さな阿弥陀如来仏像が9体彫られている。

九品の弥陀
九品の弥陀

ホキ石仏第一群

「ホキ石仏第一群の第一・二龕はともに五尺を超える如来坐像三体を並置し、前者ではその左右に脇侍菩薩立像各一体が添えられている。」(国宝の説明文より)

大きく4つに分類できる。それぞれの構成では同じ作者が彫ったのか仏像は同じような顔をしている。

第1は、大日如来坐像を中央に左右に釈迦如来と阿弥陀如来が控え、左右に2体の菩薩立像で構成されている。なお、仏像名はあくまでも後年学者によって推定されたものである。

大日如来など
大日如来など

第2は中央に阿弥陀如来坐像、左右に薬師如来坐像、釈迦如来坐像の3体 である。

阿弥陀如来坐像など
阿弥陀如来坐像など

第3は阿弥陀如来像ほか。

阿弥陀如来像など
阿弥陀如来像など

第4は中央に地蔵菩薩半跏像が彫られ、左右に5体づつ十王像が並ぶ。

地蔵菩薩半跏像と十王像
地蔵菩薩半跏像と十王像

五輪塔(重要文化財)

途中、脇道から20メートル程度山を登ったところにある。

五輪塔
五輪塔

山王山石仏

ホキ石仏第一群から50メートルほど山を登ったところにある。

「山王山石仏は丈六の如来坐像の左右に脇侍如来像を配する三尊で、やや素朴な作風は平安後期のこの地方における石仏造像の水準を示している。」(国宝の説明文より)

三体の如来像で構成されている。どの像もなかなか見事とである。

中央に釈迦如来像、左右にも少し小柄な薬師如来像と阿弥陀如来像で構成されている。通称「隠れ地蔵」。

釈迦如来像
釈迦如来像

少し小ぶりな薬師如来像

薬師如来像
薬師如来像

小ぶりな阿弥陀如来像。

阿弥陀如来像
阿弥陀如来像

古園石仏

「古園石仏は丈六の金剛界大日如来像を中心に仏・菩薩・天部を左右六体ずつ並べる構成になり、その張りのある堂々とした造形や、中尊および菩薩の一体の頭部を完全に岩から離して丸彫りとし、各像とも岩層の足りない下半身の一部を別材から造り足す技法を用いるなど、石仏群中で最も注目すべき存在である。」(国宝の説明文より)

古園石仏の全体風景。通称、古園十三仏とも言われ、上記説明文の通り臼杵石仏を代表する石仏となっている。

古園石仏1
古園石仏1

大日如来像の個別写真。崩壊や破損が甚だしかったので、修復工事が行われている。

古園石仏2
古園石仏2

この金剛力士立像は当初国宝リストに含まれていなかったが、追加認定された。これで、61体が国宝となった。向かって右側の像は輪郭がはっきりしているが、左側の石仏は定かでない。

金剛力士立像
金剛力士立像

全体で観光時間は1時間強である。多少は山を登らなければならない。帰りは臼杵駅行の適当なバスの便がなかったので、我々は大分行のバスに乗った。1時間弱程度かかるが、丁度、府内城の前に停まるので観光的には無駄はなかった。